水面被膜成分の分析-1970年代との比較
宝蔵寺沼でムジナモが繁茂するようになったある日、1970年代の緊急調査に参加した塩澤豊志氏(武蔵野大学)が宝蔵寺沼ムジナモ自生地を訪れました。ムジナモが生育する現在の水面被膜とムジナモが育たなかった1970年代の水面被膜の成分を比較したいとのことでした。
1970年代の調査では被膜に多く含まれていたマンガンイオンがムジナモの生育を阻むと考えられました。2017年の被膜の分析結果では依然としてマンガンイオンも多いが、同時にカルシウムイオンも多く含まれていて、マンガンイオンの影響を緩和していることが分かりました。1970年代にはカルシウムイオンは当時多く存在していた硫酸イオンと結合して硫酸カルシウムとなっていたようです。当時の大量の硫酸イオンは化学肥料の硫酸アンモニウムに由来すると考えられます。長い年月をかけて硫酸イオンが減少し、カルシウムイオンが被膜中に多く含まれるようになったのです。

作成者:塩澤,豊志,金村,秀一
https://mu.repo.nii.ac.jp/records/750