ムジナモってどんな植物?
ムジナモは水生の食虫植物です。美しい緑色の葉が輪生して連なり、水面下に浮かんでいます。輪生葉の先端は半透明の捕虫葉になっています。

食虫植物はいろいろな方法で虫を捕まえます。ムジナモは水中でどのような方法で獲物をつかまえるのでしょうか?
ムジナモは挟み込み式で獲物を捕えます。陸に住むハエトリソウの捕虫の仕方とよく似ていますが、ムジナモの捕虫葉の動きはずっと速いです。

ムジナモがミジンコを捕食している様子です。

ムジナモの捕虫葉は二枚貝のように開いて獲物を待っています。

ミジンコを捕まえる様子を見てみましょう。葉は一瞬で閉じてミジンコを捕えます。葉が閉じる速さは0.02秒で、これは植物の動きの中でも最速です。

獲物を捕えた後、獲物が動き続けることで狭窄運動が起こり、捕虫葉の縁の部分が密着します。水中でも消化液が漏れださないような密閉した袋ができます。そこで分泌された消化酵素によって獲物は分解され、養分として吸収されます。

捕虫葉を半分に切って光学顕微鏡と電子顕微鏡で観察してみましょう。

細長い構造は「感覚毛」とよばれ、ここで獲物を感じることができます。キノコのような構造は「消化腺毛」で、何種類かの消化酵素を作って分泌します。エックス型の構造は「吸収毛」で、閉じた捕虫葉の縁の間の水分を吸い取り、密閉を助ける働きがあるようです。

消化腺毛の細胞の中を見てみましょう。キノコのような形の頭部の細胞は細胞壁が細胞の中に突き出ていて物を運びやすくなっています。細胞の中には平たい袋のような構造がたくさん重なっていて川のように見えます。ここで消化酵素を作ります。

冬の間、ムジナモは緑色の玉のような冬芽となって水底に沈んでいます。春に水温が上がると水面下に浮き上がり成長を再開します。真夏に気温の高い日が続くと花芽を形成し、ごくまれに開花します。ムジナモの花はとても珍しいので「幻の花」と呼ばれます。

真夏の天気の良い真昼に1時間程度開花しますが、そのあとすぐに閉じてしまいます。満開の花を見ることができるチャンスはとても少ないのです。
