日本のムジナモ発見と分布
日本のムジナモは1890年に牧野富太郎が江戸川河畔で発見しました。その様子は2023年のNHK朝ドラ「らんまん」でも紹介されました。水面下に浮くムジナモの様子が動物の尻尾に似ていることから「ムジナモ」と命名したそうです。
画像提供:牧野一浡氏
1890年、小岩村 江戸川河畔で牧野富太郎が発見。和名ムジナモと命名。詳細な解剖図を発表。特に珍しい花の解剖図は世界的に注目された。
その「ムジナ」は「アナグマ」のことでしょう。ムジナモとアナグマの尻尾はよく似ています。


牧野富太郎が学名をつけた「タヌキモ」という水生の食虫植物もあります。こちらはタヌキの尻尾と似ていますね。


牧野富太郎は当時珍しかったムジナモの花や捕虫葉の詳細な解剖図を発表し、世界的に評価されました。

植物学雑誌 第7巻(1893)
その後も日本の研究者によってムジナモ捕虫葉の運動機構に関する優れた研究が行われてきました。感覚毛から運動細胞への刺激の伝達は動物の神経のように電気信号によることも明らかにされました。

(飯島敏夫 1981)
20世紀のはじめに日本各地でムジナモの自生地が見つかりました。1920年に国天然記念物の制度ができると次々と指定されました。ところが20世紀の半ばまでにムジナモの自生地は次々と消失しました。人間活動に起因する干拓や工場排水、農薬や化学肥料の多用による水環境変化、外来生物の繁殖などが主な要因です。
